現在の小売価格の平均が4,200円台であることを踏まえると、「2千円」はかなり意欲的な目標だ。石破首相は「3千円台」を目標に掲げていた。
政府は3月以降、政府備蓄米をJA全農など集荷業者に入札方式で売却し、それが卸・小売段階に流通していくことで、コメの小売価格が下がることを期待した。
政府は、政府備蓄米の適正備蓄水準を100万トン程度としており、この基準に基づいて備蓄の運用をしている。実際には、放出前は90万トン程度だったとみられる。
3月以降政府はその約3分の1に当たる31万トンの政府備蓄米を、入札を通じて放出した。
主食用米の国内需要量が年間670万トンとされることから、放出前の政府備蓄米はその約13%、放出量はその約4.6%と計算できる。
ただし、JA全農など集荷業者を通じて放出された政府備蓄米のうち、現時点で小売業者、外食業者に届いた量はわずか1割程度だという。
その量は、年間国内需要量の0.5%に過ぎない。コメの供給量がこの程度しか増えていないのであれば、コメの価格が目立って下がらないのも当然だろう。
小泉大臣のもとで、コメの価格安定化策は大きく修正される。従来は政府備蓄米の放出によってコメの供給量を増やすことを通じて価格の引き下げを目指した。
しかし、流通段階の目詰まりなどを背景に、その効果は表れていない。
小泉大臣は、コメの供給量を増やすことに加えて、価格に直接影響を与える異例の政策を実施する。それが入札方式ではなく、政府米を売却する先とその価格を政府が決める随意契約方式だ。
随意契約方式は透明性を確保するのが難しく、政府が恣意的に特定の業者に事実上の補助金を与えてしまう恐れもあることから、通常の政府活動の中では例外的な措置である、いわゆる禁じ手だ。
禁じ手を使わざるを得なくなるまで、政府は追い込まれたのである。
政府は大手の小売業を主な対象として、随意契約方式で政府備蓄米を新たに売却する。ネット販売を通じて政府備蓄米を消費者に販売することも検討されている。
政府は売却先の小売業の販売価格も厳しくチェックすることで、放出する政府備蓄米は5キロ「2千円」程度で販売されることになるだろう。
しかし、それに消費者が殺到し、また買い占めのような状況を生み、ごく一部の消費者だけが「2千円」程度で買うことができるだけで終わってしまう可能性もあるのではないか。
一方、放出された政府備蓄米が売り切れとなれば、多くの人は従来通りの高い価格のコメを買わざるを得なくなる可能性もある。
小泉大臣は新たな方式で30万トン程度の政府備蓄米を放出する考えだ。しかし既に見たように、これは年間国内需要量の約4.6%に過ぎない。
小泉大臣は必要であれば政府備蓄米を「無制限で売却する」としているが、実際には政府備蓄米は無制限にはない。
30万トン程度の政府備蓄米を新たに放出すれば、残りは30万トン程度しか残らないとみられる。
重要なのは、政府備蓄米を5キロ当たり「2千円」程度の価格で販売することではなく、それを呼び水にして他のコメの価格の引き下げにつなげることだ。
これができなければ、流通するコメのうちごく一部の政府備蓄米だけが低い価格で販売され、そこに消費者が殺到する結果、短期間で売り切れてしまう、という事態に陥る可能性が考えられる。
木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f6002115541a8ed281e3423ccf670d1af346433
引用元: ・【備蓄米放出】野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 「政府備蓄米は無制限にはない、ごく一部の消費者が2千円程度で買うことができるだけで終わってしまう」
それを転売ヤーが買って利鞘を稼ぐのね
関税下げればおk!
ここの皆さんの見解は?
供給不足から来る値上がりを抑える
それは備蓄米だけを安く売るというのではなく、その供給量を満たして「供給不足不安」という心理で上がった備蓄米以外の米の価格も下げるという理屈のはずなのに
なんで、備蓄米だけは安い、それ以外の米は高いままで売る正当性があるという話に変わってるのだろう?
これまでの政府与党の発言や対応、利益をむさぼった連中への追及や検証がフェードアウして、
今後の価格動向とその持続性だけに話がごまかされてるのに追及しないマスコミたち
、むしろ誘導してるように見えるマスコミたち