2024/12/28 10:10
不祥事を起こした企業の第三者委員会の報告書を評価する「第三者委員会報告書格付け委員会」(委員長・久保利英明弁護士、9人)は27日、「JR九州高速船」(福岡市)のクイーンビートルが浸水を隠し3か月以上運航を続けた問題の調査報告書の検証結果を発表した。A~Fの5段階評価(Eはなし)で、2人が不合格の「F」、残り7人は「D」とし、「総じて低い評価だった」とした。船導入の経営判断が解明されていない、などの批判も多かった。
格付け委は、ガバナンス(企業統治)や法令順守などに詳しい有志の弁護士らが、企業の第三者委の報告書から検証が必要と判断したものについて、格付けしてきた。今回は交通機関で影響が大きいなどとして、JR九州高速船の親会社・JR九州が設置した第三者委の報告書を格付けした。
委員4人は27日、東京都内で記者会見した。久保利委員長は「一番大事なのは、なぜこんな船を選んだのかだが、報告書に書いていない。60億円もかけて誰が選んだのか」と指摘。「アルミでダメージに弱く、溶接が難しい船だったわけだが、正しい事実認識と合理的な判断がなされていたのか、(報告書が)『経営判断だから』とタッチしないのは、報告書として意味があるのだろうか」と述べた。
引用元: ・JR九州高速船の浸水隠し事件 第三者委員会とやらの調査報告がひどいと低評価を食らう [618719777]
海事関係に詳しい野村修也・中央大法科大学院教授は「(以前運航していた)水面から浮くジェットフォイルから、(アルミで)リスクの高い高速船にする時には、それなりの調査研究、経営判断があってしかるべきだが、(報告書からは)何が行われていたのかわからない」と話した。 また、ガバナンスに詳しい八田進二・青山学院大名誉教授は「代用船のない1隻態勢で運航してきた根本的な原因について、会社の裁量の中での経営判断事項として調査対象にしていないが、この点こそが真因究明の根本」と指摘し、「第三者委の独立性に疑問が残る」とした。
一方、JR九州の第三者委の委員長を務めた尾崎恒康弁護士は格付け委の検証結果について「コメントは差し控える」とし、JR九州は「第三者委の報告書を 真摯しんし に受け止め今後につなげていく」とした。
>JR九州による、福岡・釜山航路からの撤退と、JR九州高速船会社の清算とクイーンビートルの全損処理により、「クイーンビートル」は現実の運行も、財務的な損害リスクも、人命損傷リスクも全てが未然防止された。本委員会の報告書とは無関係であるが、結果的に最も強力な再発防止策が講じられることとなったのである。皮肉にも本件第三者委員会の調査不足を依頼した親会社自らが判断したと言えよう。
斉藤誠氏
>>2024年5月30日には(中略)クイーンビートルの運行の船首部分の先端に近接した箇所の右舷側に約110センチメートルのクラックが縦に発生していたことが確認された。
>クイーンビートルを導入した理由については高速船でありながらシートベルトを付けることなく船内には売店、ラウンジ、免税店などの設備がもうけられるなど利点は強調されているが、一方導入の経緯自体やその際にリスクについてはどのように検討されたかは本報告書では一切触れられておらずわからない。
個人的には、「船長 < 支社長 < 運行管理」というあり得ない社内ヒエラルキーが分からない
お、おう…
アルミ船体は玄界灘を越えられるような強度はないんだけども