【広島】備蓄米の精米、全国の小売業者から注文殺到　広島のコメ卸「追加の人員やトラック確保必要。6月初旬に店頭は難しい」

　コメ卸の食協（広島市南区）は28日までに、全国の流通大手など5、6社から随意契約での備蓄米の精米について要請を受けた。東広島市志和町の工場の精米能力は1時間当たり30トンと全国最大規模。通常は1日8時間稼働しているが、要請に対応するため24時間稼働の検討を始めた。

　食協はこれまでも入札で落札された政府備蓄米を扱い、28日は12トンが入荷した。武信和也社長は「各社からの精米の要請には積極的に応えたい」と語り、「随意契約分に対応するためには、追加の人員確保やトラックの手配が必要」と受け止める。

　同社は早期の販売に向けて各社と交渉を進めている。武信社長は「6月初旬に店頭に並ぶのは難しい」との見通しを示す。特に時間がかかるのは販売用の新たなコメ袋の作製。小売業者から注文を受けて完成するまでに1～2カ月はかかるという。

　県内の別のコメ卸は、3、4社から今回の備蓄米について精米の依頼を受けた。役員は「不足している2024年産米の流通に力を入れたい」と吐露。「小売りとの関係性もあるので協力したいが、工場が忙しくなる。適正な委託料をもらえなければ、積極的に引き受ける業者は少ないのではないか」と明かす。

5/29(木) 10:30配信　中国新聞デジタル
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