女性は迷うことなくその番号に電話をかけた。すると、「私はアメリカ・マイクロソフトのエンジニア“ジャック・ウィリアムス”です」。電話口から聞こえてきたのは、たどたどしい日本語で話す男性の声。自称“ジャック・ウィリアムス”はこう続ける。「あなたのパソコンはハッカーに乗っ取られている。修理しないといけないので、コンビニでプリペイドカード4万円分買ってください」。
「おばあちゃん本当に必要なの?」違和感覚えたコンビニ店員が機転
驚いた女性はすぐにコンビニへ。言われた通り、プリペイドカード4万円分を持ってレジへ向かった。レジにいたのは、ファミリーマート岸和田土生町店のパート・堀内真理さん(52)。コンビニ店員歴15年のベテランだ。
堀内さんは女性を見るなり、すぐに違和感を感じた。「おばあちゃん、本当にプリペイドカードが必要なのかしら」。どうしてプリペイドカードを買うのか女性に尋ねると、口にしたのはあの“ジャック・ウィリアムス”の名前。堀内さんは「これは詐欺だ」と確信し、すぐに110番通報した。
店の引継ぎノートに「警察の電話番号」30分に1度警戒を呼びかける店内放送
6月10日、大阪府警岸和田署は「特殊詐欺被害の未然防止に大きく貢献した」として、堀内さんに感謝状を贈呈した。また、携帯電話で通話しながらATMを捜査する女性(70代)に違和感を覚え、警察に通報した、春木若松郵便局の局員・徳留陸さん(34)にも、同じく感謝状が贈られた。
堀内さんが詐欺を見抜けたのは決して偶然ではない。堀内さんが勤務する店舗では、店員同士の引継ぎノートに「警察の電話番号」が書かれているほか、30分に1回特殊詐欺への警戒を呼びかける店内放送が流れているという。堀内さんは「声を掛けたら、怒られたこともある。それでも、特殊詐欺に遭うお客様を少しでも減らすため、今後も声をかけ続けたい」と話した。
去年の特殊詐欺の被害件数が29件(被害総額:約1300万円)と増加傾向にある岸和田市。警察は管内の金融機関やコンビニへ協力を呼び掛けるなどして、警戒を強めている。
引用元: ・ファミマ店員お手柄 特殊詐欺防止で感謝状 [582792952]